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労働基準法・改正情報
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最新情報
■労働基準法一部改正(施行日:平成22年4月1日)
1.時間外労働の割増賃金率が引き上げられます。
★1か月に60時間を超える時間外労働を行う場合 → 50%以上(改正法第37条第1項、第138条)
@1か月60時間を超える時間外労働については、法定割増賃金率が50%(改正前25%)に引き上げられます。 *休日労働(35%)と深夜労働(25%)の割増賃金率は変更ありません。
A中小企業については、当分の間、法定割増賃金率の引き上げは猶予されます。 *施行から3年経過後に改めて検討することとされています。
*中小企業の範囲 資本金等の額または出資の総額が
・小売業 :資本金等5,000万円以下又は常用労働者数50人以下
・サービス業:資本金等5,000万円以下又は常用労働者数100人以下
・卸売業 :資本金等1億円以下又は常用労働者数100人以下
・上記以外:資本金等3億円以下又は常用労働者数300人以下
*上記要件は、事業場単位ではなく、企業(法人または個人事業主)単位で
判断されます。
★割増賃金の支払に代えた有給休暇の仕組みの導入(改正法第37条第3項)
事業場で労使協定を締結すれば、1か月に60時間を超える時間外労働を行った労働者に対して、改正法による引上げ分(25%増加部分)の割増賃金の支払に代えて、有給休暇を付与することができます。ただし、労働者がこの有給休暇を取得した場合でも、25%の割増賃金の支払は必要となります。
たとえば、労働者が時間外労働を月76時間行った場合は、月60時間を超える16時間分の割増賃金の引上げ分25%の支払に代えて、有給休暇(16時間×0.25=4時間分)の付与が可能となります。 ただし、この場合でも76時間×1.25の割増賃金の支払は必要です。
2.割増賃金引上げなどの努力義務(企業規模にかかわらず適用)
★限度時間(1か月45時間)を超える時間外労働を行う場合 →
25%を超える率
「時間外労働の限度基準(限度基準告示)」により、1か月に45時間を超えて時間外労働を行う場合には、あらかじめ労使で特別条項付きの時間外労働協定を締結する必要がありますが、新たに、次の@〜Bが必要となります。
@特別条項付き時間外労働協定では、月45時間を超える時間外労働に対する割増賃金率も定めること A上記@の率は法定割増賃金率(25%)を超える率とするように努めること B月45時間を超える時間外労働をできる限り短くするように努めること
*上記の限度基準告示は、改正法の施行までに、あらためて改正される予定です。
3.年次有給休暇を時間単位で取得できるようになります。 (企業規模にかかわらず適用)
@現行では、年次有給休暇は1日単位で取得することとされていますが、事業場で労使協定を締結すれば、1年に5日分を限度として時間単位で取得できるようになります。
A年次有給休暇を日単位で取得するか、時間単位で取得するかは、労働者が自由に選択することができます。
*労働者が1日単位での取得を希望した場合に、使用者が時間単位に変更することはできません。
■労働基準法改正(平成16年1月1日より)
1.有期労働契約
(1)有期労働契約の期間の上限(第14条第1項)
@労働契約期間の上限は、3年(原則)。
A一定の高度で専門的な知識等を有する者にていては、5年。
B60歳以上の者については、5年
*「高度で専門的な知識等を有する者」の具体例
弁護士、公認会計士、一級建築士、社会保険労務士、その他
*上記の規定は、建設業等の有期事業及び職業訓練を受ける労働者には適用されません。
(2)有期契約労働者の退職(附則第137条)
期間の定めのある労働契約(一定の事業の完了に必要な期間を定めるものを除き、その期間が一年を超えるものに限る。)を締結した労働者(第14条第1項各号に規定する労働者を除く。)は、労働基準法の一部を改正する法律(平成15年法律第104号)附則第3条に規定する措置が講じられるまでの間、民法第628条の規定にかかわらず、当該労働契約の期間の初日から1年を経過した日以後においては、その使用者に申し出ることにより、いつでも退職することができる。
2.労働契約の終了
(1)解雇権濫用法理の明記(第18条の2)
解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。
(2)解雇理由の明示(第22条第2項)
労働者が、解雇の予告がされた日から退職の日までの間において、当該解雇の理由について証明書を請求した場合においては、使用者は、遅滞なくこれを交付しなければならない。ただし、解雇の予告がされた日以後に労働者が当該解雇以外の事由により退職した場合においては、使用者は、当該退職の日以後、これを交付することを要しない。
3.裁量労働
(1)専門業務型裁量労働制(第38条の3)
労使協定により、「健康・福祉確保措置」及び「苦情処理措置の導入」が必要となりました。
(2)企画業務型裁量労働制の要件緩和(第38条の4)
@労使委員会の設置届を廃止した。
A導入事業場を本社等に限定しない。
B「委員全員の合意による決議」から「委員の5分の4以上の多数による議決」に要件緩和された。
C労働者側委員の選任要件の緩和(労働者の過半数の信任要件は廃止された。)
D報告事項について、対象労働者の健康・福祉確保措置の実施状況に限定された。
E労使委員会の決議の有効期間の暫定措置を廃止した。
4.就業規則
(1)解雇事由の明示(第89条第3号)
常時10人以上の労働者を使用する使用者は、次に掲げる事項について就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならない。次に掲げる事項を変更した場合においても、同様とする。
一 始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を二組以上に分けて交替に就業させる場合においては就業時転換に関する事項
二 賃金(臨時の賃金等を除く。以下この号において同じ。)の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項
三 退職に関する事項(解雇の事由を含む。)
三の二 退職手当の定めをする場合においては、適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払の方法並びに退職手当の支払の時期に関する事項
四 臨時の賃金等(退職手当を除く。)及び最低賃金額の定めをする場合においては、これに関する事項
五 労働者に食費、作業用品その他の負担をさせる定めをする場合においては、これに関する事項
六 安全及び衛生に関する定めをする場合においては、これに関する事項
七 職業訓練に関する定めをする場合においては、これに関する事項
八 災害補償及び業務外の傷病扶助に関する定めをする場合においては、これに関する事項
九 表彰及び制裁の定めをする場合においては、その種類及び程度に関する事項
十 前各号に掲げるもののほか、当該事業場の労働者のすべてに適用される定めをする場合においては、これに関する事項
*詳細については、最寄りの労働基準監督署にお尋ね下さい。
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